かつてテレビのバラエティ番組でも取り上げられたことのあるメッセージですが、私たち古くからの釧路市民には、店主のシャレというよりも、強いプライドの表れと捉えられています。
弟さんと二人で店を切り盛りする浦田伸一さんは、老舗の3代目店主に当たります。
看板にある「丸木舟」や、アイヌ民族の装身具である「シトキ」をモチーフに、これもまた同店を代表する釧路銘菓「しとき」をつくったのは、先代であるお二人の父親だったといいます。
これら名代の釧路銘菓を、製法はもちろん味も素材も変えることなく当時そのままに受け継いでいるのが、古くからの常連客に愛され続けている秘密でもあります。
「丸木舟」は、狩猟生活をなりわいとしたアイヌの人々が、釧路地方を縦横に流れる河川を行き来するのに使用した丸木舟をモチーフにするなど、地域の歴史をお菓子で表現しています。
「幣舞せんべい」は、昭和29年に昭和天皇が釧路に行幸された折、御料菓となったことでも有名で、今も同店の大きな誇りとして語り継がれています。
ほかにも「湿原の鶴」や「釧路っ子」など、釧路を強烈にイメージさせるおいしいお菓子が多い「浦田」ですが、地元住民の熱心な常連さんも多くいます。 決してよそ行きのお使い物としてではなく、市民が毎日のおやつとして愛してやまないお菓子を作り続ける。
そんな老舗としての親しみやすさもまた、同店が変わらず愛され続けている大きな理由でもあるのです。
常連さんの中で人気の「みそまんじゅう」