釧路菓子商組合





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1944年札幌生まれ。現在の江南高等学校を卒業後、東京・九段にある洋菓子の老舗「ゴンドラ」にて修行。
製菓だけでなく店のガラス掃除からお菓子の販売まで、お菓子屋さんの仕事のすべてをそこで学んだ。
6年後に釧路へ帰郷。家業であった旧村上製菓・甘秀堂を手伝った後、1979年12月12日、フランダースを開店。
店名の由来は、当時流行っていたアニメ「フランダースの犬」から、誰からも親しみやすいようにと、とった。


 大きな窓が特徴のモダンな店は、当時お金のなかった村上氏が知人に協力してもらいながら作った。
よくやったなぁと思う、と村上氏。

“お腹がいっぱいでも食べられる軽いお菓子”を作る。

いくつでも食べてほしいから、1種類1種類違うスポンジを焼き、味に変化をつける。
気をつけていることは、材料の計量。1gの狂いも出ないように、細心の注意を払う。
もし自分の味覚が変化しても、変わらぬ味が提供できるのだそう。



 人気のモンブランやアップルパイは、ゴンドラで習ったときから変わらぬ味。
リピーターが多い生チョコレートのケーキは、毎度チョコレートの味を変えないようにするのがとても大変だ。
材料のチョコレートは業者で取り扱わなくなることもあり、その度に自ら展示会へ足を運び試食し探す。
店に帰ってからも味が決まるまでクリームや砂糖の配分を試行錯誤。
時間と手間のかかる作業だが、そういう作業も好きだと言う。



 趣味は読書。昔から本を読むことが好きだそう。お菓子作りをするにあたり、
ゴンドラの店主も製作に関わったという洋菓子やパンの分厚い本を読み、その歴史から学んだ。
取材当日も「このお菓子はマッカーサーが持ち込んで‥」と、お菓子の歴史を楽しそうに教えてくれた。
その本は今でも時々読み返しているそうだ。

現在、ふたりの息子さんたちもお菓子やパン作りの仕事に携わっており、
同じ菓子職人としてお互いにアドバイスをし合うことも多いのだそう。

村上氏のお菓子作りへの想いと考えは、確実に受け継がれている。
「この店は息子たちが継いでくれれば嬉しい」と村上氏。
今後は、身体が続く限り、大好きなお菓子作りを続けていくことが目標だそうだ。